こんにちは。行政書士のtakashiです。
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行政書士として開業するには「行政書士登録」が必要です。
行政書士登録をするには「事務所」の存在が不可欠。ここで巻き起こるのが「事務所どうする問題」です。
この「事務所どうする問題」ですが
- 自宅兼事務所
- 事務所を別に用意する
のどちらかを選択することとなります。
自宅を事務所として使うのか、事務所を別に用意するのか…開業前にはどちらにしようかと悩むものです。
今回は、「自宅兼事務所」にフォーカスした記事です。自宅兼事務所のメリットやデメリットを考察し、その後事務所として登録する際の注意点を書いていきます。
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自宅兼事務所のメリット
行政書士事務所を自宅兼事務所にするメリットは
- ランニングコストが安くできる
- 通勤時間がない
- いつでも好きなときに仕事ができる
です。それぞれ詳しくみていきましょう。
ランニングコストが安くできる
自宅以外の場所に事務所を設けようとすると、地主や不動産投資でもしていない限りは事務所を借りることとなります。
事務所を借りるということは、当然、毎月の家賃がかかります。地域によって変わりますが、数万円~数十万円必要です。ちなみに、僕の事務所のあるさいたま市では、駅から5分以内の物件で、1か月あたり
- 大宮駅:5万円~200万円超
- 浦和駅:10万円~80万円超
と幅があります。もちろん、広さや築年数によって変わってきますが、小さなオフィス用の物件でも毎月5万円~10万円程度は必要です。物件によっては賃料に加えて管理費もかかります。
また、ランニングコストではありませんが、契約時には保証金や敷金を賃料の数か月分支払わなければなりません。場合によってはリフォーム代も必要になるかもしれません。
事務所の賃料の他にも、ランニングコストとして必要となるのは
- 電気代などの水道光熱費
- 電話回線、通話やFAXの料金
- ネット回線
は必須でしょう。
自宅兼事務所であれば、これらのランニングコストを自宅以外に用意しなくて済みます。余計なコストがかからないのは、仕事のない開業初期には非常に助かります。
通勤時間がない
自宅兼事務所にしてしまえば、起きたらそこはもう職場ですから、「通勤」という概念がなくなります。
どこかに勤めていれば、職場まで通勤しなければなりません。(政府が「リモートワーク」を推進してはいますが、未だメジャーな勤務形態とは言い難い状態です。)
通勤するためには移動が伴いますから、少なからず時間がかかります。サラリーマンの平均的な通勤時間は片道1時間とも言われています。往復で2時間。自宅兼事務所とすることで、通勤時間を他のことに使えるようになるのはメリットです。
いつでも好きなときに仕事ができる
自宅兼事務所なので、いつでも、好きなときに、好きなだけ仕事ができます。始発や終電を気にする必要もなく、早朝・深夜も関係ありません。
開業当初のヒマな時期にはあまり関係のない話かもしれませんが、普通に稼いでいる行政書士は、複数の案件が同時に進行していることが当たり前です。繁忙期や期限の近い案件が集中したときには、どうしても事務所にこもらなければならなくなります。
また、家事や育児をしながら業務をすることもできるので、共働きにも向いています。
自宅兼事務所のデメリット
対して、自宅兼事務所のデメリットは
- 自宅の一部屋を事務所に取られてしまう
- オン・オフの切り替えが難しい
- 来客対応が難しい
という点です。こちらも詳しくみていきましょう。
自宅の一部屋を事務所に取られてしまう
行政書士には「守秘義務」といって、依頼者や依頼内容の秘密を守らなければなりません。そのため、自宅兼事務所として開業するためには、自宅の一部屋を事務所として確保する必要があります。
自宅は賃貸・自己所有のどちらでも構いませんが、生活スペースとは明確に区切られた部屋を用意しなければならないので、自宅の生活スペースが圧迫されてしまいます。
オン・オフの切り替えが難しい
自宅で仕事をすると、当然ですが、仕事の空間とプライベートの空間のどちらも自宅となります。
そうなると、仕事とプライベートの境界があいまいになってしまいます。もちろん、仕事部屋に入ったときから仕事モード、仕事を済ませて仕事部屋を出ればプライベートモード、と気持ちを切り替えるように気を付けてはいます。ですが、どうしても気分が乗らないときなどはダラダラと作業をしてしまったり、youtubeをいつまでも見てしまったりすることもあります。
なるべくそうならないように、自宅でも仕事をするときは着替える、休憩はデスクではなく必ずリビングでとるなど、仕事をするうえでの「自分ルール」を作って対処しています。
また、自宅が事務所として行政書士会に登録されるので、「ここに行政書士の○○がいますよ~」と周知されることになります。思わぬ危険に出遭うことにもなりかねないので、女性行政書士は避けたほうがいいかもしれません。
来客対応が難しい
自宅兼事務所では、来客対応をするスペースがなかったり、家族がいる時間に相談や打合せをすることに気が引けたりと、来客対応が難しいと思います。
僕は依頼者から打合せ場所の指定がない限り、基本的には依頼者の事務所に出向くようにしています。
僕のメインとする業務は建設業許可などの許認可業務です。許認可業務の打合せでは、どんな手続きが必要かをヒアリングし、申請が可能かどうかの判断と同時に、依頼者がその手続きに必要な資料を持っているかどうかを確認します。
打合せの時に依頼者はどんな資料が手元にあるかを把握していないケースがほとんどです。依頼者の事務所であれば必要なものをその場で確認できるので、打合せの回数を少なくすることが可能です。この方法は自宅兼事務所の場合に限らず、自宅以外に事務所を用意する場合でも有効だと思います。
また、依頼者も自宅兼事務所などのときに訪問が難しい場合、喫茶店やファミレスを利用することもあります。相続などのデリケートな相談のときには貸会議室の方が安心です。大抵こういう時は書類の確認が打合せ後になるので、やり取りに時間がかかってしまったり、依頼者が資料の確認をするのが面倒になってしまって案件が進まなくなることがほとんどです。笑
自宅兼事務所で開業するときの注意点
自宅を事務所として行政書士登録をする際に気を付けなければならない点があります。
それは事務所の使用について所有者の承諾を得ることです。
自宅が賃貸であったり、自分が所有している物件であってもマンションなどの集合住宅の場合に、大家さんや管理組合の承諾が得られないことがあります。
マンションやアパートなどの集合住宅の場合、住民やその知り合いなど、ごく限られた範囲の人が利用することが前提です。そのため、事業のために不特定多数の人が出入りすることを嫌います。防犯上この考えは正しいといえます。
しかし、あくまで事務処理をするための事務所であって、来客があることを想定していないのであれば、大家さんや管理組合から承諾を得られることもあります。一度掛け合ってみるといいでしょう。
どうしても大家さんや管理組合から承諾が得られない場合、自宅兼事務所を諦めて別に事務所を借りるか、自宅兼事務所を認めてくれる物件へ引っ越すという選択をすることになるかと思います。(さすがに事務所のために自宅を買い替える人はいない気もしますが…)
さいごに
今回は、行政書士になるには避けて通れない「事務所どうする問題」を考えるために、「自宅兼事務所のメリットとデメリット、注意点」を書いてきました。
別の記事「自宅と事務所を別にするメリットとデメリット」を比べてみて、現時点ではどちらがいいのか、検討してみてはいかがでしょうか。
今回の記事はここまでです。最後までお読みいただきありがとうございました。
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