こんにちは。行政書士のtakashiです。
「行政書士になるには.com」へお越しいただきありがとうございます。
このサイト「行政書士になるには.com」では、管理人である現役行政書士の私が、行政書士事務所を開業するにあたって経験した「開業前や開業後にやっておいた方が良かったこと」「開業前・開業後にやっておいて良かったこと」「開業後の成功体験や失敗談」など、実体験に基づいたノウハウや知見を徒然に書いていくものです。
- 行政書士事務所開業前でどんな準備をしたいいかわからない方
- 行政書士事務所を開業したはいいけれどどうしたらいいのかわからない方
このような方のお役に立てればと思いサイトを運営しています。気になることや感想など、お気軽にコメントをいただけると嬉しいです。コメント欄はこのページの一番下にあります。最後までお付き合いのほどよろしくお願いします。
行政書士になるには、行政書士がどんな仕事をするのかを知らなければ始まりません。
今回は【職業としての行政書士編】として、「行政書士の仕事とはどのようなものか?」について書いていきます。
※行政書士として仕事をするためには、「行政書士登録」という手続きが必要です!行政書士登録について詳しくは以下の記事をご参照ください。
行政書士はどんなことをする人?
そもそも、行政書士っていったい何をする人なんでしょう?どんな仕事をする職業なんでしょうか?
「行政書士っていうぐらいだから、行政関係の仕事でもするんじゃない?」ぐらいのぼんやりとしたイメージが一般的だろうと思います。
このぼんやりとしたイメージをはっきりとさせるために、「行政書士の仕事とはどのようなものなのか?」をご紹介します。
行政書士の仕事とは
行政書士は、依頼人から報酬をいただいて
- 官公署に提出する書類の作成(法律で制限があるものを除く)
- 作成した官公署に提出する書類の提出代理
- 権利義務に関する書類の作成
- 事実証明に関する書類の作成
- 契約書等の代理人としての作成
- 書類作成に関する相談業務
をすることができます。
行政書士はいわゆる「お役所」である官公署へ提出する書類の作成やそれに関する相談、作成した書類の提出を主な業務としています。
この「官公署」とは
- 国の機関である国会や省庁など
- 地方公共団体である都道府県や市区町村
- 警察署や消防署など
を指しています。
ただし、他の法律(弁護士法や税理士法など)により制限を受けているものについては、書類の作成・提出や相談などの依頼を受けることはできません。
他の法律によって制限を受けている、とはいってもそれ以外の手続きは行政書士の仕事となります。その種類は1万を超えるともいわれており、膨大な数、種類の書類を作成し報酬を得ることができます。
あまりに業務範囲が広すぎるため、「行政書士」といってもどんな仕事をする職業かがよくわからない方も多いと思います。具体的には個人・法人の依頼人から、飲食店などの営業許可、建設業界では建設業許可、旅行業や民泊、さらに在留資格(ビザや技能実習)などの手続きを依頼人に代わって行います。これらの手続は「許認可申請(手続)」又は単に「許認可」などと呼ばれています。
また、許認可だけでなく、
- 売買契約書や秘密保持契約書などの契約書
- 法人設立時の定款や添付書類
- 規約や約款
などなど、ビジネスに使われる文書の作成も行います。
これら許認可や契約書などのビジネス文書以外にも
- 相続
- 遺言
- 離婚
- 交通事故での保険請求
などの民事関係の書類作成を手掛ける先生もいます。
蛇足ですが、このように「行政書士の業務は書類作成」と一口に言っても様々な種類があります。そのため、「その行政書士はどんな業務が得意なのか」がわかるように、行政書士は初対面の方などと名刺交換をするときに「自分はどんな業務が専門か」から自己紹介が始まります。
行政書士の自己紹介についての記事は下記をご参照ください。
行政書士の担う役割
「書類作成の専門家」といえる行政書士ですが、どのような役割を担っているのでしょうか。
行政書士法では、その目的を「行政に関する手続の円滑な実施に寄与し、あわせて、国民の利便に資すること」としています。
つまり、行政書士には、「行政手続が円滑に進むように適切な申請をし、それと併せて国民の皆さんのお役に立ちましょう。」という役割が与えられています。
この役割をわかりやすくまとめると
- 個人、法人を問わず
- 依頼人である国民が生活し、又は事業を運営していくために必要となる行政手続を
- 法律的な知識を持つ行政書士が
- 「必要書類の作成、提出、その後のフォロー」を国民に代わって行うことによって
- その手続きがスムーズに進むようにサポートをすること
- そして、国民が必要とする手続がスムーズに完了し、生活や事業運営が快適になるように役立つこと
が求められているといえます。
これらのことから、行政書士は「書類作成・行政手続きの専門家」であると言うことができます。
業務の展開
行政書士資格を活かして、様々な業務を展開することができます。
許認可業務に特化
許認可業務にもたくさんの種類があることは、既にご存知の通りです。
この許認可業務のうち、在留資格や飲食店関係など、一つの分野に絞ってその業務知識を深めることで差別化を図ります。
分野を絞ることでその業務についての知識を他の行政書士より深くすることができるようになります。
業務知識を深めることで、より難易度の高い業務を手掛けられるようになり、「○○申請は○○先生」というブランドを築くこととなります。
経営コンサルタント業務
行政書士は許認可申請書作成の過程で決算書などの財務関係の書類に触れる機会が多く、それを読み解く力も求められます。
また、依頼人はおのずと起業家、経営者が大半となります。そして経営者達は経営上の悩みも多く、その相談に乗ることも多くなります。
行政書士ではありませんが、許認可業務から派生する業務として経営コンサルタント的な役割することもできます。
他にもできることはたくさんある!
他にも、介護関係の知識を活かして介護や成年後見人などの業務や、契約書のチェックや作成、内容証明の作成などなど、行政書士資格と自身がそれまでに培ってきた知識や経験を活かして業務を拡大していくこともできます。
相談から納品まではスムーズに!
「書類作成」が仕事である行政書士ですが、一日中机にかじりついて書類作成のためにデスクワーク、というわけにもいきません。作成する書類の内容をヒアリングするためにクライアントとの打ち合わせが必要ですし、許認可業務では提出先の役所との事前調整や申請書の提出、問い合わせへの対応なども必要になります。
依頼人との打ち合わせや申請書先の役所との調整など、こなさなければならないタスクは膨大になります。また、現代のビジネスでは「スピード感」がとても重要視されています。これは行政書士といえど事業主ですので例外ではありません。これらを満たしつつ行政書士としての役割を果たし、依頼人の要望に応えるためにはそれぞれの案件をスムーズに進めていかなけれなりません。
依頼人からの相談を受けてから納品までの流れをスムーズに進めていくためには、十分な段取りが欠かせません。
段取りよく業務を進めるには、「業務の進め方を決めて、進捗状況を確認する」ことと「スケジュール管理」が重要です。
業務の進め方と進捗状況の確認
許認可業務の大まかな進め方としては、僕の場合は
- 依頼人から相談・打合せ
- 必要な情報やそれを裏付ける資料の収集
- 書類の作成
- 作成書類や収集した資料を申請先の役所へ提出
- 審査
- 許可証の発行
といった流れにしています。受任した案件がこれらのどの段階にあるかを意識しながら業務にあたるといいのではないかと考えています。
スケジュール管理について
もうひとつ、業務を進めるうえで肝心なのは「スケジュール管理」です。
許認可業務では許可を取ることがゴールではなく、依頼人が取得した許可を元に商売ができるようになること、さらには事業が成功してはじめてゴールといえます。
そのため、許可の取得を依頼人の事業開始に合わせてスケジュールを組んでいく必要があります。
僕の場合は、依頼人から許可が必要な期限をヒアリングし、その期限から逆算してスケジュールを決めていきます。場合によってはガントチャートもどきを作ることもあります。このスケジュールをカレンダーなどに落とし込んで管理をしています。
個人的には紙に書いたほうがわかりやすいので、A5判のスケジュール帳に書き込んでいます。(スケジュール管理については別記事に詳しく書く)「Googleカレンダー」のようなウェブサービスを使って管理するのもいいかもしれません。
案件が少ないうちはスケジュール管理の必要性をあまり感じないかもしれませんが、最初からしっかりと管理する癖をつけておいたほうがいいかと思います。
複数の案件を同時に処理するのが当たり前の世界なので、忙しくなってから「スケジュールが…」とならないためにも早いうちからスケジュール管理を意識していきましょう。
今回の記事はここまでです。最後までお読みいただきありがとうございました。